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痛みとは何か ── あなたの痛みは「体だけが原因」ではありません

長引く痛みは体だけが原因ではないと説明する日本語の図解。体・感情・認知の3要素、悩む男女と医療者、回復への流れを示す。


長く痛みに困っていると、


「どこか体が壊れているんじゃないか」「今後も悪くなっていく一方じゃないか」


と不安になりますよね。



でも、痛みは


体だけが原因ではありません。



まずはここを一緒に整理しましょう。



よくある誤解:痛み=組織の損傷


ほとんどの方は、痛みの原因は筋肉や関節、靭帯などの組織、「体」にあると考えています。


これは整骨院や接骨院にいる多くの国家資格を持つ先生がそう信じているので何もおかしなことではありません。


腰痛の解説インフォグラフィック。左に「よくある考え」、右に「正確な知識」と脳・体・心の関係を示し、笑顔の男性写真もある。

「〇〇筋が硬いから、緩めれば良くなるはず」

「骨盤が歪んでいるから、矯正すれば治るはず」


きっと、こうした説明を受けたことがある方も多いと思います。


でも、ここには大きな落とし穴があります。


こうした説明は、今そこに見えている現象を説明しているだけで、


「なぜ痛みが起きているのか」という理由の説明にはなっていません。



そしてここで問題になるのは、この説明を信じて通い続けても良くならなかったときです。


「私の体は、かなり悪いんだ」


そう痛みの捉え方が変わってしまい、不安や恐怖感が増えていく。


その結果、余計に痛みを感じやすくなってしまうんです。



この記事を最後まで読んでいただければ、


痛みの原因は体だけにあるわけではないということが


あなたもきっと理解できるはずです。



痛みを感じているのは「脳」


確かに怪我をすると、その痛めた場所が痛いと感じます。


でも実際には、その怪我した情報が脳に届いて初めて、私たちは痛みを感じています。



つまり、痛みを感じているのは脳です。



そしてここで大事なのが、急性痛(怪我の痛み)と慢性痛(長引く痛み)は、


役割も原因もまったく違うということ。


急性痛は「体の危険を知らせる警告」の役割があり、体に必要な痛みです。


たとえば骨折をした時に、もし痛みをまったく感じなければ、


私たちはその骨折に気づくことができません。


気づかないまま動き続けてしまえば、骨折はさらに悪化し、


最悪の場合は命に関わることもあります。


痛みがあるからこそ、私たちは体を守り、無理をせずに安全に生活することができているのです。


つまり急性痛には、

体を守るための大事な警告の役割があるんです。



一方、慢性痛は基本的に組織の損傷がない3か月以上の痛みとされています。


そのため多くの慢性痛の原因は、筋肉や関節などの組織の損傷ではなく、


脳や神経が痛みに対して過敏になっている状態です。


体に危険は起きていないのに、脳が小さな痛みの情報を大きく感じてしまう。


いわば脳の中で「誤作動」が起きている状態です。


特に骨折をしているわけでも、筋肉が切れているわけでもないのに、


脳が過剰に警告を出し続けてしまう。



つまり慢性痛は、急性痛とは違い、


体にとって必要のない痛みなんです。



急性痛と慢性痛の違いを左右で比較する図。女性の痛み、脳や骨、警告音のアイコン、回復や不安の様子を説明している。


慢性痛では組織にほぼ異常がないので、


慢性痛の多くは病院の画像検査でも異常が見つかりません。


これはあなたの痛みが決して「気のせい」ということではなく、


慢性痛の仕組みでそうなっているんです。



この仕組みを理解して体にとって不必要な慢性痛に対して、


正しいアプローチをしていけば、


必ず回復に向かっていくことができます。



痛みには「グラデーション」がある


もう一点、痛みでよく勘違いされていることをお話しします。


よく痛みは「感じるか感じないか」の2択のように思われがちですが、


実際はこうした0か100かという考え方で説明することはできません。


脳には痛みを抑える仕組み(下降性疼痛抑制系)が存在していて、


その働き具合によって痛みを感じるライン(痛みボーダーライン)が、常に変化しています。



この仕組みが働いていれば疲労やストレスがあっても痛みは感じにくく、


働いていないと少しの負担でも痛みを感じやすくなります。


実はこれ、みなさんも日常のなかで経験しています。


好きなことに夢中になっている時は痛みを忘れていたのに、


ふと我に返ると、痛みが戻ってくる。


同じように過ごした一日でも、嫌なことがあった日の方が痛みが強い。


これは気のせいではなく、その時々で痛みボーダーラインが変わっているからなんです。


そしてこの考え方で見ていくと、痛みの感じ方は大きく2つのパターンに分けられます。



① 痛みボーダーラインを超えるほど、大きな負担がかかっている


これは、ほとんどの方が想像する痛みの感じ方だと思います。


怪我をした時や、一時的に強い疲労が溜まった時がこれにあたります。


この場合は、負担が減っていけば痛みボーダーラインより負担が下がるので、


痛みは感じなくなります。


つまり、怪我の時のように負担を減らせば解決していく痛みです。



② 痛みボーダーライン自体が、下がってしまっている


問題なのは、こちらです。


痛みボーダーラインは、痛みを抑える仕組みの働きで決まります。


そしてこの仕組みは、ストレスなど不快な感情が増えることで働きにくくなります。


この状態が続くと、常にボーダーラインは下がったままです。


そうなると、いくら負担を減らしたとしても痛みを繰り返してしまうんです。



これが、多くの慢性痛の状態です。



だからこそ慢性痛の回復には、


負担を軽減することと、痛みボーダーラインを高く維持すること


この両方が必要になるんです。



痛みの原因は大きく3つ


現代の医学では、


痛みは、次の3つが影響し合って感じていると言われています。


  • :筋肉・関節・靭帯などの状態(よく言われる姿勢や骨盤の歪みもここ)

  • 感情:人間関係や環境のストレス、不安や恐怖といった不快な感情

  • 認知:過去の痛みの経験や、先生に言われたこと、SNSやテレビの情報でつくられた「痛みの捉え方」


少しだけ、それぞれを具体的に見てみましょう。



の原因は、イメージしやすいと思います。


長時間の同じ姿勢や、運動不足による筋力・体力の低下など、


体にかかる負担そのものです。


感情は、痛みを抑える仕組みに直接影響します。


仕事や家庭でのストレス、痛みへの不安や恐怖が続くと、


痛みボーダーラインが下がり、少しの負担でも痛みを感じやすくなります


認知は、少し意外に感じるかもしれません。


「腰痛は一生の付き合いだと言われた」「ヘルニアだから治らないと思っている」


こうした痛みの捉え方そのものが、脳の警告を強めてしまうことが分かっています。


そして長引く痛みほど、体の原因は小さくなり、


感情認知の影響が大きくなっていきます。



つまりここで言えるのが、


長引く痛み(慢性痛)は、


体だけが原因ではないということです。



先生に「メンタルのせい」と言われて過去に傷ついた経験がある方もいるかもしれませんが、


どんな痛みにも必ずメンタルは影響していますし、


この3つの原因が関わっている、


という考え方が、


現代の医学では正確な知識になっています。



だからこその一歩



今回の話で最も強く伝えたいことがあります。


それは、


痛みを正しく理解することは


回復の大きな一歩になるということです。



「組織が壊れているから痛い」「痛い時は体のどこかに必ず原因がある」ではなく、


「体だけが原因ではない」「脳や神経が過敏になっているだけ」と分かるだけで、


今より少し不安がやわらぎ、痛みを抑える仕組みが働きやすくなります。



つまり、痛みを正しく知ること自体が、回復へのとても大事な行動になるんです。


そしてもし余裕があれば、散歩でも、好きなことでも構いません。


「これなら安心してできそう」と思える小さな一歩を、一つ足してみてください。



この記事をここまで読んでくださっている努力家のあなたが、


少しずつでも痛みを正確に理解して


今よりほんの少しでも痛みの回復に向けた正しい一歩を歩んでいただけると


僕としてもとても嬉しく感じます。



当院では、

痛みを根本的に解決したい方へのサポートを

行なっています。



長引く痛みを抱える方の多くが、


早く良くしようと治療を継続して努力を続けています。


その努力はとても素晴らしいことであり、間違ったことでは決してありません。


大事なのは、

その努力の方向性をあなたに最適な方向に修正していくことです。


そのために当院では、誰でも気軽にお試しできるように


はじめての方向けの初回体験と、オンラインでの個別相談をご用意しています。


もっと痛みの回復方法を知りたい方や記事を読んでも不安が残る方は、


ぜひお気軽にご相談ください。


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